分散投資で損失のリスクを軽減できるというのが投資信託の売りですが、この投資信託には様々な商品があります。
本記事で解説するのは、アメリカのS&P500と、全世界株式のオール・カントリー(オルカン)です。
成長性と安全性の高い2商品ですが、それぞれどんな特徴があるのでしょうか。
本記事で見ていきましょう。
投資信託とは
本題に入る前に。知らない人のために投資信託について簡単に説明します。
投資信託とは、投資家から集めたお金を一つの資金として、専門家が株式や債券などに投資、運用する金融商品のことです。
様々な投資対象で運用され、利益は各投資家に分配される仕組みになっています。
冒頭でも少し触れましたが、投資信託のメリットは、現物株よりも損失のリスクを軽減できるところにあります。
現物株であれば、その企業の業績が悪化した途端に株価も下落します。
下落後も高配当株による配当金を目的とする記事は、こちらをご参照下さい。
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なぜ、高配当株はやめとけと言われるのか?その理由と対策について解説
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しかし複数の株式に分散投資しておけば、株価が下がっている銘柄が少しあったとしても、一方で株価が上がっている銘柄があれば損失のリスクは抑えられるということなのです。
また、インデックス投資信託の詳しい解説はこちらを参考にして下さい。
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インデックス投資とは?やり方やメリット、デメリットについて解説
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S&P500か、オルカンか。
それでは本題に入っていきましょう。
投資信託で選択を迷う方が多い話かと思います。
世界経済の中心であるアメリカのS&P500、経済発展が目覚ましい新興国も投資対象となっているオール・カントリー。
S&P500について
S&P500は、NY証券取引所、NYSE MKT、NASDAQの上場企業から500社を選出してその銘柄の株価で算出されます。
S&P500だけでアメリカ株式市場の時価総額の8割を占めており、近年では情報技術株が全体の3割を占めています。
構成する代表的な銘柄
Apple(情報技術)
Microsoft(情報技術)
アマゾンドットコム(一般消費財)
アルファベット クラスA(コミュニケーション・サービス)
テスラ(一般消費財)
など
オール・カントリーについて
正式名称は「eMAXIS slim 全世界株式」。
三菱UFJ国際投信が運営しています。
2022年6月現在では、先進国と新興国合わせて47カ国の2863の銘柄で構成されています。
世界中の銘柄で構成されてはいますが、アメリカの企業の構成比率が高く、アメリカ経済の影響を大きく受けるといっても過言ではありません。
構成する代表的な銘柄
Apple(情報技術)
ユナイテッド・ヘルス・グループ(ヘルスケア機器)
ジョンソン・エンド・ジョンソン(医薬品)
台湾セミコンダクター(半導体)
エヌビディア(半導体)
など
結局、どっちがいいのか?
どちらも優れている金融商品であることには間違いありません。
そのため少し身勝手かもしれませんが、最後は自分が様々な指数やデータを基に投資判断を下していく必要があります。
①パフォーマンスではS&P500が優勢
過去10年間のパフォーマンスでは、S&P500の圧勝です。
2011年10月を「基準 100」とした場合、10年後(2021年10月)にはオルカンが350なのに対して、S&Pは536という数値が出ています。
途中、新型コロナによる冷え込みはありましたが、どこよりもまず初めに回復への道に乗っかれたのは、アメリカ経済でした。
②ショックによる下落は避けられない
S&P500は500社、オルカンは3000社近い銘柄で構成されているので、オルカンの方が銘柄が分散されておりリスクもより回避できるとの理論が生まれるでしょう。
しかし、2020年の新型コロナではどちらも同程度下落しているため、経済ショックの際には、どっちに投資していても損失は避けられないのではないかと思います。
③アメリカ以外の国がどれだけのパワーを出せるか
S&P500はもちろん、オルカンもまた多くのアメリカ企業が構成に加わっています。
そのため、アメリカ経済が独り勝ちを続けるようであれば、S&P500のパフォーマンスは引き続き高いままということです。
アメリカ以外のオルカン構成国の経済が、どれだけのパワーを持っているか、というところに選択のヒントがあるかもしれません。
まとめ
本記事では、S&P500とオール・カントリーの比較をしました。
結論として、私はS&P500をお勧めします。
アメリカが世界経済の中心である以上、その恩恵を十分受けられるのはS&P500であるからです。
しかし、今後もアメリカが世界の中心であり続けることはなく、新興国の台頭も事実です。
過去のデータはもちろん、未来起こりうることを考えながら投資対象を選んでいきましょう。
最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。