配当利回りの高い株式のことを高配当株と言いますが、ネット上で「高配当株」について検索をかけてみると、やめておけやおすすめしないといった記事が多数ヒットします。
なぜ、このように否定的な意見が多いのでしょうか?
本記事では、高配当株がおすすめしないと言われる理由と、一方でどんなメリットがあるのか解説していきます。
高配当株とは
まず株式投資は主に、「値上がり益」「配当益」「株主優待」の3つの方法で利益を上げます。
値上がり益は、株式の購入価格と今の差額がプラスになった時発生し、
配当益は、企業があげた利益の一部が株主に分配されたものを指します。
株主優待は、企業が自社の商品やサービスを安く購入できるように、株主に待遇することです。
株主優待についての記事はこちらをお読み下さい。
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そして高配当株は、分配される配当金が高い銘柄のことを指します。
なぜ高配当株はダメなのか?
このように配当金は、企業が利益を上げられさえすれば分配され続ける訳ですから、それほど心配することは無さそうですが、どんな欠点があるのでしょうか?
①減益→減配→株価下落の悪循環が起こるかも
大前提、配当金は業績が悪いと分配されない、少なくなることがあります。(無配、減配)
「配当が高い」ことを売りにして投資を集めた企業が、業績悪化を理由に無配や減配を発表すれば、投資家から残念がられて売りが進み、株価が下落する可能性があります。
こういった悪循環が起きて、配当金どころか値上がり益すら得るのが難しくなるかもしれません。
②配当金だけで生活するのは難しい
【みんかぶの公式サイトは こちら です。】
高配当株とはいえ、配当金だけで生活するのは簡単ではありません。
ここで、配当利回りランキングを見てみましょう。
配当利回りランキング(みんかぶ)では1位が郵船となっています。(利回りは17%)
生活費に充てるとして月に20万円の配当金を得ようとしたら、単純に考えて総配当金額約300万円が必要になります。
(総配当金額300万円-所得税+住民税20.315%=約240万円)
そして、年間配当金を300万円貰うために必要な投資金額は、17%の利回りから算出すると、
配当利回り=年間の配当金額÷購入金額
17%=300万円÷購入金額
300万円÷17%=17,650,000円
と言う結果になります。
しかし現実問題として、配当利回りが17%の会社は2社しかなく、財務内容を考えると投資先の利回りは4%前後と推測されます。
4%ですと投資金額は7,500万円に膨れ上がります。
大規模な資産を持っていないと、配当金だけで生活できるように投資をするのは難しいです。
③高配当株で値上がり益は得にくい
高配当株は、値上がり益を上げるのが難しいという性質があります。
配当金を高めに設定している企業には、今後さらなる成長が難しい成熟企業が多いからです。
成長が難しいということは株価の変動もしにくく、目に見えるような値上がり益を得にくいのです。
④【結論】まとまった資産が無いと高配当株で利益を上げるのは難しい
値上がり益が期待できないということで、まとまった利益を上げる手段は配当金にほぼ限定されてしまいました。
そのため、高配当株でまとまった利益を上げるには、より多くの投資資金を用意する必要があるのです。
高配当株で失敗しないための対策
①初心者は配当金だけで利益を上げようとしない
高配当株に投資するということは、配当金だけで利益を上げる手段を選んだと言っても過言ではありません。
先述の通り、配当金だけで生活費くらいを稼ぐにはまとまった資産が必要です。
まとまった投資資金を用意できない間は、高配当株に集中投資するのをおすすめしません。
②配当利回りが異様に高い銘柄には注意しよう
配当利回りランキングや予想を見ると、表示された銘柄の群を抜いて、利回りが高い銘柄が表示される時があります。
配当利回りは、「1株あたりの配当/株価×100」という公式で算出されます。
そのため、その高すぎる利回りは、株価の急激な悪化によって出された数値である可能性も考えながら投資をしていきましょう。
③配当性向が100%前後の銘柄にも注意しよう
配当性向が高い銘柄は、かなり配当金を出しています。
「株主により多く還元しよう」と考えている企業もありますが、
中には、かなり無理をして配当金を出している企業もあるため、今後もその配当額を維持できるかは不透明ですね。
配当性向が100%以上の銘柄は、避けるのが無難です。
おすすめの証券会社を下記記事で比較しています、ぜひお読みください。
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投資は自己責任となります。
高配当銘柄を選んだらまずIRバンクで決算内容を確認しましょう。
最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。